代表あいさつ

働き方の多様性とメンタルヘルス


従来より、労働者を取り巻く環境は、情報技術の発展に伴い、高度専門化、グローバル化が進んでいましたが、コロナ禍を経たことで、一気に働き方の多様性は増大しました。企業も従来の労務管理では、対応することが難しくなり、従業員も自分のスキル、キャリア、生活スタイルとあった働き方を模索しなければならなくなりました。


働き方の多様化、コンプライアンス重視に伴って、現代の職場に求められている、個々の人格を尊重してコミュニケーションをとったり、契約行為としての責任ある権利行使したりすることは、正直、ほとんどの日本人にとって、不得意なスキルだろうと考えられ、時代についていけていない労働者、企業が一気に増えているように感じています。


これからの職場のメンタルヘルスは、ケースごとに複雑で総合的な判断が要求される場面が増え、その判断がスムーズにできるようにならないと、企業はもとより、日本社会の中で労働者が十分な能力を発揮できない職場が増えていくのではないかと想像しています。

医師としての経験を事業に活かしたい


私は、初期臨床研修を通して様々な診療科を経験し、人間の生き方に直接かかわれる精神科が、自分にとって一番社会貢献できる方法だと実感しました。そして、精神科医になるための後期研修では、200人以上の患者さんの主治医として治療に当たってきました。


様々な精神疾患の患者さんを治療する中で、本人と職場があっていないことで、病気になってしまっている人が想像していたよりも多い現状を認識しました。そして、病院を受診する前に対応することの重要性を感じ、後期研修終了後、産業医になって実際に企業の中活動することにしました。


実際に15社ほどの企業さんの嘱託産業医を経験した中で、主治医と産業医の連携の難しさや、企業の担当者や経営者の方も、実際にどう経営と両立しながら、職場のメンタルヘルスに対応したらいいのかわからず、医学的な評価がなかなか、職場環境に反映されない現状がわかってきました。


私は、医師して働いている傍ら、ITベンチャー企業を立ち上げ、医学生向けのサービスを運営し、事業譲渡した経験があります。そのような経験から、実用的なAIの開発が加速する中、職場のメンタルヘルスの問題も、精神医学的な評価をもっと従業員と会社が活用しやすくなれば、従業員のメンタルヘルスを向上しながら、企業の生産性も向上できる仕組みが作れるのではないかと確信しています。

もう一度スタートアップ企業へ


2022年7月、株式会社メンタルHRと社名を変え、気持ちを新たに再出発することにいたしました。「月曜日が待ち遠しい世界」を実現するまで、自分の知識と経験を生かして、できる限りのことに挑戦していくつもりです。


株式会社メンタルHR 

代表取締役 野田北斗